LGBTの割合は20人に1人、これは個人の趣向の問題?

 杉並区議会で、議員が「同性愛は個人的趣味。」「自治体が時間と予算を使う必要があるのか?」と発言したことを受けて、当事者を中心に「趣味の問題ではない。」と反発の声が出ています。

 反発があるのも当然だと私は思います。人を好きになることは自然なことで、その自然な気持ちを抑えたりコントロールすることは不可能に近いからです。そして、人を好きになることは最低限必要な人権です。議会でどのような経緯で発言されたものかは知りませんが、結婚に関する法整備や生きやすくしていくための配慮は行政が率先して行っていくべき問題だと思います。日本では、同性同士のカップルは異性カップルと同等の権利が法的に認められていません。

 LGBTとは、まだ日本では広く知られていない言葉だと思います。レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル両性愛者)、トランスジェンダー(心と体が一致しない人)の頭文字をとった言葉で、性的少数派の人々をさします。少数派とはいっても、20人に1人といえば、小学校の1クラスに1人か2人はいる割合となります。これは左利きのひとの割合とだいたい同じぐらいともいわれています。

 みなさんの知り合いにも左利きの友達や知り合いは何人かいるはずです。その人数と同じだけいると考えると、実感している(知り合いにいそうな)LGBTの人数の割合と比べると、すごく多いように感じませんか!?

 左利きだと一緒に暮らしていて見たらわかる場合が多いですが、LGBTについては内面の問題が多いため一緒に過ごしていても全く気付かないことの方が多いのかもしれません。これは、海外だと事情がかわってくることかもしれませんが、日本の場合 自分についてあまり語りたがらない傾向があることも関係しているのかもしれません。テレビではネタ的、キャラ的に同性愛者をよく見る機会がありますが、実生活ではなかなか自然な形でカミングアウトする人は少ない気がします。

 2017年の高校の家庭教科書(開隆堂)にはLGBTという言葉が盛り込まれるそうです。今後、多様な性を受け入れる社会が、時代として訪れるのでしょうか・・・。

 性的マジョリティーにはあまり関係のなさそうな話題と思ってしまいそうですが、この問題は「民主主義は多数決がすべてか?」という問いにもつながる普遍的なテーマであるといえそうです。 

LGBTってなんだろう?--からだの性・こころの性・好きになる性

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