新学習指導要領では「ゆとり教育」との決別、明確に・・・文科相見解表明
学習指導要領は、約10年に1度改定されていることを皆さんはご存知ですか?
時代と共に学習する内容は変わってきています。例えば、今日では全教科の教育活動の要といわれている「道徳」の授業科目は、戦後10年間はありませんでした。なぜかというと、戦前の道徳教育(12徳目)が愛国心を中心として教えていたこともあり、それが戦争につながったというGHQの解釈によって戦後は道徳の教育を禁止していたのです。 「それでもやっぱり道徳の時間は必要だろう。」ということで、1958年から道徳教育が再開されたという歴史の流れがあります。もちろん1958年から再開された道徳教育には、愛国心だけでなく友達を思う気持ちや、努力の大切さ、生命を尊ぶ心など36項目にも及ぶ大切なことが記されるようになりました。
さて、話はもどりまして、平成30年ごろに改定される新学習指導要領では大きく何がどのように変わるのでしょうか。
文科省の発表によると、「ゆとり」からの脱却を大きく掲げているそうです。
「ゆとり」にかわって、アクティブ・ラーニングという言葉が出てきます。
アクティブラーニング入門 (アクティブラーニングが授業と生徒を変える)
- 作者: 小林昭文
- 出版社/メーカー: 産業能率大学出版部
- 発売日: 2015/04/25
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
アクティブ・ラーニングとは?
児童・生徒が議論しながら考えを深めていく学習のことです。
これまでの教育活動は”教師が一方的に教える”という児童・生徒の立場からすれば、受動的だった教育といえます。それに対してアクティブ・ラーニングは、可能な限り児童・生徒が議論を通じて答えを探求するという能動的な教育といえます。これは「ゆとり」か「詰め込み」かという2項対立にはあてはまらない強靭な教育活動となると文科省は解釈していますが、実際にはどうなんでしょうか。
私なりにメリット・デメリットについて(まじめに)考えてみました。みなさんはどのように考えますか?
<メリット>
・児童・生徒の積極性がはぐくまれ、自ら考える力がつく
・新しい時代に対応する力や新しい価値観が身につく
・知識基盤社会(ネットや本で得られ情報が多い社会)で生きる力が身につく
・多様な価値観を受け入れる力がつく
<デメリット>
・教員のレベル、児童・生徒のレベルが高くなければ授業が前に進まない
・教員の負担が増える
・授業時間が足りなくなる
・現行の入試制度に対応できない場合がある
・クラスや学校によって授業の質の差が大きくなる
以上のようにメリット・デメリットを推測してみると、グローバルでインターネットが発達した現代には適している学習方法とも考えられます。しかし、デメリットを補うためには、教員の数を増やしたり入試制度を変える必要があるかもしれません。
ところで、題名に新学習指導要領では「ゆとり教育」との決別と書きましたが、これは文科省が発表している見解です。決別という言葉から「ゆとり」を決してポジティブにとらえていないようにも感じますが、私は「ゆとり」をポジティブにとらえているので、もう少し言い方を考えてほしいところです。