ヘイトスピーチ対策法が成立の見通し、在特会の逮捕者は増えるのか?

 ヘイトスピーチとは、特定の国や民族をひとくくりにして悪質なレッテル張りや悪口を表現することをさす。有名な団体が在特会在日特権を許さない会)で、デモで「○○人は出ていけ!」や「○○人は死ね!」などと叫ぶことがシュプレヒコールの恒例となっている。そして、ヘイトスピーチを表現する人たちの多くが自らを愛国者だと表明していることもやっかいな問題だ。こんなひどい言葉を叫ぶ人々に美しい日の丸をふりまわしてほしくないし、できることなら冷静に過ごしていただきたい。

 彼ら差別主義者の話す内容にも冷静に聞けば まともな主張もあり、表現方法が間違えているだけという事柄も少しは含まれている気もしないでもない。外国人の悪口が多く、それには賛同できないが、逆に日本人が虐げられているという主張は的を得ているものもある。

 規制でなくなるのは、ヘイトスピーチ表現の自由

 ヘイトスピーチ対策法が成立の見通しだが、この法律は規制の範囲も狭く、実効力も低いようだ。

 現行法で、在特会の会員はこれまでに8人以上が逮捕されてきたが、逮捕理由はヘイトスピーチをしたからではなく、単に暴行や傷害罪というものだ。

 新しいヘイトスピーチ対策法案でも、ヘイトスピーチに対しての罰則は無いようで、法案が成立しても「こういう法ができました。」というジェスチャーだけのものというのが正直な感想だ。つまり、言葉の暴力であるヘイトスピーチを理由に逮捕者が増えるということはなさそうで、実効性が無いのでは何のための法案かと考えてしまうが、これを機にヘイトスピーチが減り、ラブスピーチが増えればと願うばかりだ。

 

 

ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)

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ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか

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ヘイト・スピーチという危害

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なぜ、いまヘイト・スピーチなのか ―差別、暴力、脅迫、迫害―

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